これまでLED系のポイ撮影をすると、どうしても黒い線が現れるという現象に悩まされてきました。
たとえばこれ
ポイが点滅していたのかと思える画像ですが、ポイ自身はずっと点灯している状態です。肉眼では確認できないへんてな黒い線が生まれます。写真で撮った場合はもちろんでません。
今回画像を表示するグラフィックポイの動画を撮影するに当たって、この線がどうしても邪魔で頭を悩ませていました。
なぜでるのか?
動画のシャッタースピードの設定でどうにかなると思っていたのですが違いました。フレームレートが関係するのかと思いましたが、60Pでも30Pでもだめでした。これはカメラのハードの限界なのでは?と思うようになりました。
解決へ向けて
いつか実験して解決したい、そう思ってついに先日ポイカメラのメンバーでこの問題解決に取り組みました。
まずはヨドバシカメラで片っ端から動画撮影。一眼レフコーナーで4Kカメラや最先端のフルサイズ一眼など試しましたがどれもいまいち。ビデオカメラのコーナーにうつったらなんとなくよさそうだけどいまいち分からない。店員さんに相談したら「もしかしたらシネマカメラなら・・」ということでBlackmagicという、噂は耳にしたことはあっても良く知らないなんだか過ごそうなカメラを見てみました。そうすると「おお?ほとんど線が見えない!」ということを発見。すごい!でも高い!と思っていたらなぜか「俺実は持ってる」というタクの発言で、このカメラを使って撮影することに決定。流石カメラマン、なぜかいろいろ持っている。
せっかくなので一眼レフとビデオカメラも一緒に撮影を試すことにしました。
撮影の結果
Name | Blackmagic Pocket Cinema Camera | Kiss X6i | HF-M52 |
Photo | |||
センサー | micro 4/3 | APS-C | 1/3型CMOS |
フォーマット | CinemaDNG RAW 1920x1080:30P |
MPEG-4 AVC/H.264 MOV形式 1920×1080(Full HD):30p |
AVCHD 1920 x 1080 : 30P |
フレーム間の線 | 無し ただし単色の光源の場合明るさに若干ムラがでる。 |
あり | 無し ただし単色の光源の場合明るさに若干ムラがでる。 |
シャッタースピード設定 | 360度 | 1/30 | 1/30 |
ダイナミックレンジ | 尋常じゃない幅の広さ | 広い | 狭い |
結果、BMPCC(Blackmagic Pocket Cinema Camera )は素晴らしい性能を発揮し、そして数年前のビデオカメラも大健闘!一眼レフはこれまで問題になっていたので当然ですが盛大に黒いギャップが発生しました。
このギャップは動画に最適化されていない一眼レフで撮った場合に顕著に見られるもので、ビデオカメラを使用するとほぼこの線は見えなくなるのでは?という結果となりました。
ビデオそしてシネマカメラでは部分的に暗くなることはあっても、一眼レフのようにハッキリ線が見えることはなくなりました。
恐らく動画用に作られていないセンサーではフレームとフレームの間のデータの書き出しや読み取りの際に数ミリ秒単位の空白データとなる瞬間があるのだろうというのが結論です。通常の動画では気にならないけれど、軌跡が命のポイ動画ではどうしても気になる。ましてグラフィックポイの動画を撮ると商品の宣伝動画にならない!ということで各国のグラフィックポイ系メーカーで思考錯誤しているテーマです。
一眼レフの動画の美しさや、暗所性能は、Youtubeで動画共有する、暗いところでパフォーマンスすることの多いポイスピナーにとっては無くてはならない存在になりました(僕がそう仕向けたという話もありますが) しかし、これが問題の始まりでした。ちゃんと動画を撮り始めたのが一眼レフになってから、クオリティーを求め始めたときから変な黒いギャップとともに映像を見てきたのでどんなカメラでもこうなるのかと思っていました。
しかし、餅は餅屋というように、動画を撮るときはビデオカメラのほうが優れている面があるのだということです。今後一眼レフとビデオカメラを併用しつつポイ映像は撮影していくことにします。
BMPCCのすごさ
カメラサイズに似合わぬ情報量の多さ
BMPCCはすごいすごいという話は耳にしましたが実際に触ってその凄さが分かりました。普通は黒つぶれ、白飛びしそうなところもしっかりと情報が存在しています。コンデジのようなサイズでこれだけの情報量を撮影できるのは脅威です。暗いところで撮影してもかなりのダイナミックレンジを保っていました。フルサイズの一眼レフと巨大なレンズで撮影するスタイルと比べるとなんとコンパクト。
レンズの選択肢
そしてマイクロフォーサーズのレンズをいろいろ使えるという利便性もあり、アダプターを使えばキャノンやニコンのレンズも使えてしまいます・・。カメラ、映像に興味がある人は買いたくなるのでこれ以上BMPCCを調べないほうがいいと思います。
編集の大変さ
映像を見るためにはパワフルなPCで編集・出力の作業が必須で、テレビで簡単に見ることはできないので後の作業もかなり大変です。
データ量も物凄いサイズの大きさです、あっという間にHDDはいっぱいになるでしょう
まとめ
ポイの動画、とくにLED系のハッキリとした軌跡の残る道具の場合は、ビデオカメラ、またはBMPCCがオススメ。
今後の展開
どんなにダイナミックレンジが広くても、明るいLEDポイと真っ暗な背景では黒つぶれ、白とびは起きる。
適度に背景に明るさが残る夕焼け見えるの時間帯や、明るい都心部の公園や広場、照明の使えるスタジオなどでの撮影を行ってみる。
背景・人物・LEDの発色の問題を解決しつつ構図にこだわる。
というのを次回以降の映像撮影では実践してみようと思います。
※Graphic Poi の通常光度での撮影は F9 Iso100程度が一番綺麗な色が出ます。Podpoiなどでは F5.6 Iso 400 程度でも綺麗に色が出ます。Graphic Poiはかなりシビアな条件です。